一見わかりにくい表現かもしれませんが、自分は学生時代にデザイナーになりたいと志してこの道に足を踏み入れましたが、その当時、当然の事ながら服作りをはじめいろいろな事を経験するうちに、その事を潜在的に考えていたような気がします。
正確に言うと、その事に気付いたのは時間的にはもっともっと後の事なのですが、思い起こしてみると、
「ブランドを作りたかったんだな、自分」
という事を悟りました。
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ブランドを作る。
では、そもそもブランドを作るということはどういうことか?
日々の活動や業務をこなしていく中でずっと考えて今にも至ります。
その中で一つだけ言えることは、
ただ自分の作りたいものを作ってタグやらロゴやらをつけるのではなく、そういった表面的な次元ではなく、(抽象的に聞こえるかもしれませんが)自分とは何なのか?を問い詰めさせられてきたように思うことです。
何故、その考えに至ったかは、沢山の方面からのアプローチがありまして、
その中の代表的な経験や生い立ちは(恐らく3つあります)、
人種のるつぼ。
単身渡英したロンドン時代・・・通った学校やその面接で言われた事も一理あるのですが、その言葉に加えて、実際に「人種のるつぼ」の中にいた時に自分というアイデンティティーを確認もしたし、思い知らされた経験があります。肌の色も髪の色も瞳の色も、宗教も言葉も、全てのバックグラウンドが違う人が集う状況において、
「じゃあ、自分って何?」
「自分は何が出来る?」
「あなたを作れ!」 面接にて。
単純に考えて、それがまずはパーソナルというブランド。
そして切り札。
そう思うようになりました。その後、幾つかのコレクションブランドなどで働くうちに、その中で生き残るには、それこそそのパーソナルブランドを活かさないといけないと必死でした。ただでさえ、言葉に長けていないというハンディキャップもありましたから。
自分に出来る事。
決して自慢とかそういうことではなく、
自分に出来ると気付いた事・・・
服に対する知識や技術、デザインという感性を重んじながらも、服に真摯に相対する心に評価を受けました。
イタズラも沢山しましたが(笑)。
まずは、そういった純粋な好奇心から、全てを知り尽くしてマエストロのようでありたいと思った事が一つです。欲張りだとはわかっています。
最初の頃はまだまだベクトルが自分に向いていた事は否めません。
しかし、その自己確率論がブランディングとしての土台だと思いますし、この種に水が与えられて芽が出てくるようになります。
今思えば、このプロセスは強固な土台として魂の中に息づいている感覚さえ眠っています。
次回、中編に続く。
ブランドの作り方(中編)。
「服を作るのではなく、ブランドを作りたかった」前編からの続きです。前編はこちら。人種のるつぼの中での自分というものをイヤというほどまでに思い知らされた時代でしたが、それは前に進む事だけを考えていた自分 ... Read more
「ブランドは出版社」の考えの下に。
声、ありますか?Quodua◆Elaqueがこのようなメディアを始めた公の理由は、コンテンツをしっかりと作り上げて精神性を伝えたい事は勿論の事、出版社と似たような使命があると思う事が理由の一つです。挨 ... Read more
One thought on “ブランドの作り方(前編)。”