「この世のものは全てコンパスと定規で作られた。」
はい、ロゴ製作といってもこれまでのような一連の試行錯誤がありまして、Quodua◆Elaqueのロゴもフォントも線と円が遭遇する事で成り立っています。
そうして、創造。
家紋の手法を参考にしたのに加えて、
完全無欠を表す円に、
初心貫徹を意味する線が遭遇、
または突き抜ける事が根底のメッセージになっています。
遭遇という言葉自体にも、クリエーションをしていく事は「未知との遭遇」という意味も同時に込めています。
随分と存分に思想に傾倒しましたが、最初なので。
ロゴデザインのプロセスはお伝え出来たと思います。
半ばこれから一生付き合っていくからには、頭おかしくなるまでやりきろうと(笑)。
プロパガンダが絵になった物との位置付けでやってみるのもイイかも知れません。
いや、冗談は抜きにして、ここまでやり切れば一喜一憂も無くなりますよ。
もう、あとは好きにしてっ、メチャクチャにしてって(笑)。
オドロキがあれば嬉しいです。
ロゴデザイナーのマメ知識。
自分の場合はこのような形で生み出す事となりましたが、ほぼロゴを作る他のデザイナーの方達も数多くの何らかのプロセスを踏んで作っています。
😛
ロゴやフォントは看板だからこそ、その独自性を盛り込む為にいろいろなアプローチと時間が必要ですね。
ここでいくつかちょっとロゴデザインのマメ知識を。
ご参考に。
- ある美術関係の先生から大昔に学んだ事がある話なのですが、
ロゴやフォントのデザインというものはゼッタイに簡単に考えて、簡単に手を出してはいけないよとも言われた事をふと思い出しました。
だから自分は一連の行為の中、そのつもりでいました。
皆さんの中の捉え方ってどうですかね?
で、その理由はというと、
ロゴやフォント(主に文字を使う事)はほんの少し線が曲がったりズレたりしただけでも全体が壊れるし、昔はパソコンなんて無かったわけですから、その細心の注意を手でやらないといけない。
それはなかなかに出来る事ではないと。デリケートな仕事だと。 - 同じように広告関係の人から知ったのが
海外の多くのデザイナーのエピソードで、作ったロゴを大きくしたり小さくしたりしてバランスを調べる事があります。
この理由は、実際に経験するとわかるのですが、
大きさによって見え方が変わる事もバランスが変わる事もよくあるからです。
自分自身も、フライヤーとしてプリントしたものと、服に付いているタグとを見比べると違いに気付く事がありますね。
そのような訳でデザイナーによっては、大きさによってロゴのバランスを微調整して、使用する時には様々な指定が入るとの事です。
大きな看板の時にはこちらのバージョン、小さく印刷する時はこちらのバージョンというふうに。
確かに小さくすれば密集して見えるからスッキリさせないといけないし、大きくすると、人間の目が一度に見る事が出来なくなるので印象は変わるとは言わないまでも、考慮に入れておくというのはデザイナーとして頷けます。 - さらには、
ロゴデザイナーの大御所・松永真氏のエピソードです。
一つの文字を作り上げるのに3ヶ月くらいは平気で掛かるという話も聞いた事があります。
皆さんが知っている多くの商品や組織のロゴも彼の作品は多いのですが(例えばあのLOFTとかです)、クライアントに出す以上は多くのプレッシャーがある事になります。
調査も綿密にするでしょうし、アプローチも様々で、一文字がそのくらいの時間が掛かるという事も半ば使命として当たり前に思えてしまいます。
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このようにして、我々のファッションブランドに限らず、普段当たり前に見ているロゴやフォントというのも深いものがあり、それらが作り上げられる過程・考察・・・そういったものが少しでも伝わって頂けたら嬉しく思います。
ちなみに松永氏の書籍は面白いです。
※参考文献: 松永真、デザインの話。+11
再びQの話。
さてさて、職人さんとの出会いの後、線と円の遭遇というテーマが出来上がり、改めて考えて「Q」という文字にこれが応用出来るなという考えになりました。
以下、デザインの流れです。
完全無欠と初心貫徹を表すメッセージ。
だったら、全部の文字をそれで作り変えようと再度Quodua◆Elaqueのフォント作りへ。
短い期間でしたが、それまではイラストレーターのテンプレートを使用していました。
それはイカンイカン。
毎日のようにスケッチ。
まずは単純に円に線が貫通した形で「Q」を。
っていうか、空集合?φ?
もうここまで来ると、文字というものから離れて記号の組み合わせだなと思いながら。
積み木やパズルのように物体が組み合わさるだけのナンセンスさに興味が進んで行きました。
これには最初の考えでもあった、ブランド名そのものが記号であるとのコンセプトにも合致します。
おー。
こちらの記事にて触れています。
ブランド名が造語である事の挑戦は。
やっぱり記号化。
普遍的に考えたら英語のアルファベットを使う事はやむを得ないにしても、最終的にQuodua◆Elaqueに見えればイイと組み合わせて。
言葉という壁を越えて、ただの物質にしたい。
記号の集まりにしたい。
無意味でイイ。
そんなトンチンカンな事を考え。
ただ、こういった行動も以前お話した「発想は仮説立ての連続」という事実に結びつく重要性があります。
活字に対する嫌悪。
生まれました。
元々が言語に極力囚われたくないという思想もあったので、ドンドン物質化。
嗚呼、ドップリ浸かってデザインの毎日。
アイデアというか、脳内でいろいろなネットワークが繋がっていく喜び。
何か、デザインしてるーって思い(笑)。
英国の冬の夜は長いので、そんな夜長を過ごす。
時を同じくして、キッカケは忘れましたがその最中、影響を受けた歴史上の芸術運動がありました。
💡
そこでまたリンク。ナンセンスさをキーワードに。
いろいろな幸運が重なる事になりました。
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One thought on “ロゴデザインの仕事と使命とマメ知識。”