服作りは構築的な事。で、ペーパークラフトへの話。

皆さんはペーパークラフトと聞いて、どんなイメージを持っていますか?

一言で言ってしまうと、ペーパークラフトというのは紙製のプラモデル。
もしかしたら、普段我々が手にしているパッケージのデザインもこれに該当するかもしれません。

今回お話しするのは、このペーパークラフトというものの概念は、立体として作り上げるもの・・・建築も洋服もそうですが、

空間デザインとしてはヒジョーに原始的で理に叶っているものという事
をお伝えしたいと思います。
ブランドのコンセプトの一つ。

この原理には多くの可能性があります。



自分たちが行う洋服作りというものに真っ先に言える事ですが、平面のものを立体にしていくという過程。これに集約されます。

西洋から伝わったテーラーリングもクチュールとしてのドレスメイキングも、素材の硬い柔らかいは関係無く、元々は平面であるものを如何にして立体にしていくのかという考えに行き着きます。

いわゆるこれが、アートの世界で言われる「構築」という概念。
簡単に言えば、「組み立てていく」「築き上げていく」という事でしょうか。
紙は特にこの構築性があります。

常に脳内で、二次元・三次元の変換が為されるという習慣も個人的には身に付いています。




さて、その平面のもので一番代表的な素材である紙。
太古の時代は除くとしても、基本的に紙の無い生活はありえません。
紙が無ければお尻も拭けない(笑)。お金も払えない。

誰もが手にした事があって、様々な種類があって、子供から大人まで親しめるもの。
そしてまた、(特に男の子は)プラモデルのような高度な技術・材料を要するものではなくて、今も昔も紙によるクラフトは何事にも登竜門として存在する事実があります。


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これを読んでいる皆さんも恐らくは、何かしら紙から始まった歴史をお持ちかもしれません。
私事にはなりますが、自分の幼少期は紙の工作から始まった人間です。

だからこそ研究材料として、平面を立体にする過程を学ぶには一番最良の素材だと個人的には思っています。新聞紙でも出来るからコストも掛からない(笑)。




建築デザインも、プロダクトデザインも、紙で試作品を作る事も頻繁にあります。

まさにこれも、紙による平面と立体のコンビネーション。





さて服は。


服を作る際にも例外ではなく、パターンメイキングという紙を媒体として立体に置き換える、平面に置き換えるという作業があります。これの繰り返し。

また仮組みをする時に、紙を使ってみたりも実はよくあります。
机の上に乗るような小さなマネキンに紙を当てて考える事も同様にあります。


個人的にはかなり頻繁に使うというか、知らぬ間に使ってしまう手段ですね。
・・・って事は、無意識のうちに構築的に考えている。


服も組み立てられた立体。

その原理は、融通の利かない紙という二次元の素材でも、逆にそれを如何に三次元にするか。融通が利かないからこそ考える。その為に頭をひねります。またその方が能力が上がる。

この辺の服作りの話はいつかに取って置きます。
一つの記事では足りません(笑)。


 

また、アイデンティティーを探す。


ロゴやブランドについて作り上げる最中、
Quodua◆Elaqueというファッションブランドのプレゼンテーションとして、その自分の興味のある構築的な概念を表現するには何がイイだろうと考えていました。

ここでも、ブランディングやデザインで学んできた自分のアイデンティティーを探す事になります。
入学試験の面接での「あなたを作れ!」と。
「ブランドの作り方(前編)。」より)

この作業が大事。

洋服(服作り)にも同じ構築が言えるのは先にも言いましたが、それらも踏まえて、
キチンとしたパターンを製作して構築していくデザイン・・・このコンセプトを表現するにあたって、自分らしいものは何だろうと考え続けた結果、ペーパークラフト。


実はここに逸話があって、
その当時働いていたロンドンのとあるスタジオで、飛び出す絵本を見つけました。
この時にヒラメイタ。
まるで一休さん。

ん、ひらめいたっ! 💡


 

飛び出す絵本を作り始める。


「これはどうなっているんだろう?」の繰り返し。


その本をお願いをして借りる事にした自分は、それを家に持ち帰り、その後ペーパークラフトや飛び出す絵本をリサーチし始めました。

プレゼン用だから、実際に見せられてインパクトのあるものをと。

何事もリサーチが大事。

元々が模型作りも好きだった事もあり、このリサーチは楽しいものとなりました。
しかも有り難い事に、多くのウェブサイトで無料ダウンロードなんてものもあるせいか、いくつも買い込んだ厚紙にダウンロードしては製作しながら研究していました。
ペーパークラフトの世界はこんな事があるんですねー。

ぺーパークラフトが好きな方にはオススメです。

こちらのアポロ11号はダウンロードして実際に作りましたよ。ロゴの月のリサーチも兼ねて。
1/48 Paper Model アポロ 月着陸船 Apollo Lunar Module (LM)
※画像は自作のものではなく、リンク元から拝借しています。

ていうか、何やってんだ、自分(笑)。
でもその好奇心が、より構築というものを学ばせてくれたと思っています。

平面というものが立体に変わっていくその過程。
ちょっとした事ですが、それを服に活かすモチベーションが育ってきました。

そして更には、ロバート・サブダ氏という飛び出す絵本界の巨匠の作品と出会う事になります。
製作、製作。

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