活字への嫌悪は、ロシア・アバンギャルドから。

絵画だけでなく、演劇・映像・建築・・・あらゆるものに通じた革命運動です。


芸術を壊す。


偶然に自分が当時いたヨーロッパでは、何故かロシアキャンペーンみたいなのが起こっており、滞在先のベルギー・ブリュッセルにてロシアフェスティバルが開かれていて、美術館等でもロシア展をやっていたので見て回りました。
ヒジョーに有り難い事にこの潮流の展示がメインでした。

求めている時に出会うものだなとワクワクしながら。

ちなみに画像検索しましたので、ご参照を。
メッチャカッコイイデザインが沢山あります。



ロシア・アバンギャルドとは一体?
 

この「QE TIMES」は言論機関でもあり、新聞という情報メディアでもありますから、折角なので軽くこの運動について触れてみようかと思います。ご参考になれば幸いです。



この運動は世界が激動であった20世紀初頭にロシアを始めとする東ヨーロッパの旧共産圏で起こった芸術に対する革命運動です。


その内訳は多岐にわたり、
先にあげたものに加えて、文学や詩などの言語や活字を必要とする文化や音楽にも多大な影響を与えました。
時代的に西ヨーロッパのキュビズムやダダ・シュールレアリスムとの双壁にもなっていました。

表向きのデザインだけでなく、その思想や概念について述べたい所でもありますが、

この運動・・・激動過ぎるというか、広くもあり、また発生してから社会主義の波に呑まれ収束していくまでに目まぐるしく変わっていったよなという感想が自分の中にはあります。その為、一言で言うのがと・て・も難しい。


スポンサーリンク

強大なロシアという国家や当時の時代背景のおかげで、独創的なものがうまれた一方、皮肉にもそこが癒着や政治にもてあそばれた遠因にもなりました。

ただ一つ感想を言う事が許されるならば、これまでの芸術を滅ぼして、半ば破壊的に新たな視点でユートピアを作る為のものとでも言わせて下さい。

何というか、共産圏ならではの熱さがある。
自分は決してそっち寄りとかそういうのはまったく持ってないです(笑)。リベラル。

だからこそ個人的には、現存させる事も無く、
儚く消えていった壮大な理想に惹かれたのかもしれません。

もののあわれを感じます。
ユートピアだからこそユートピア。



ちょっとヤヤコシイ話。



あー、ややこしい!

まだ何も話してないよっ(笑)。

そんなロシア・アバンギャルドの単純に頑強な、そしてプロパガンダじみたデザイン的なものに惹かれる所がスタート地点でもありましたが、いろいろと調べていくうちにビジュアル面だけでなく、この時代に生まれた詩に興味を持つようになります。

※参考文献:「ロシア・アヴァンギャルドと20世紀の美的革命

特にそこで興味を持ったのが「ナンセンス言語」。
そういうのがあるんですねー。

ナンセンスといっても、ギャグめいた面白おかしなものでなく、音と言語と意味を切り離す。


んー、ナンノこっちゃ???

😕

そこに出てきたのが活字の物質化という概念でした。
フォントにこれを使おう!


同時代の詩人たちが目指した事は、

活字万能主義に対するプロテスト

活字というものを囚人服と捉えたんですね。
つまり、意味を持たせる事や名付ける事に対して、それは縛りにしかならないという事だと思います。

言語を離れてしまえ!

それはかつてこちらの記事でも触れましたが、
ブランド名が造語である事の挑戦は。

自分なりに解釈したのが、何語かとか、どう意味かという事よりも、漠然とした記号でイイだろうと。
その意味では○だけでも良かったんですけどね。いっその事。
フォントを作る上でも、ファッションブランド名「○」もそれはそれで面白い。ウン。

文字記号のヴィジュアルな物質性を際立たせていくとき、彼らの意識では「言葉そのもの」「文字そのもの」といった理念はすでにありきたりな常套語と化していた。

書いている自分もヤヤコシイ。

具体的な詩の内容とかは割愛します。


 

さらにヤヤコシイ話。


スイマセン、開き直ってます(笑)。

ザーウミと呼ばれる言語解体の実験。
ザーウミとはロシア語で、「知(ウム)」の「彼方へ(ザ)」を意味し、一般に「超意味言語」と訳される。簡単にいうなら、アルファベットを恣意的に組み合わせた一種のナンセンス言語である。

気付けばどんどん無意味なものにしてしまいたくなる自分がいました。

言葉に意味をつける事を嘲笑うような。そして、言語体系に囚われたくない自分。
超越する事。
ブランド名にしても、それを表すフォントにしても。

影響を受けた事は確かです。


記号化というキーワードがより強くなっていき、また、これらのような小難しい事は抜きにして、この時代のような力強いフォントやフォルムにしたいと試行錯誤をしていました。

この流れの後に生まれるバウハウスにも惹かれましたけどもね。


いずれにしても、こういった事を踏まえながら少しずつ出来上がってきます。コンパスと定規を使って。

基本的には円と線で、ひたすら単純に単純に。
まずは円に線が貫通して「Q」。

組み合わせて組み合わせて。

そこには幾何形体以外の何者も無い。

ってやっていくと、逆に今度はこれらをバラバラにした状態でも何か出来る。コレは文字ではないからそこは自由だ!

破壊したり、組み立てたりの繰り返し。
この潮流の建築的な要素もいつの間にか取り入れていました。

 
 

文字じゃないんだ、コレ。


円と線が偶然に組み合わさったらQuodua◆Elaqueのフォントになった。

偶然の出会い・・・遭遇によってこのブランドのクリエーションは成り立ちます。

幣ブランドにとってはそんな物質化。
こういう考えも面白いかなと思っています。

次回以降でまた触れていこうとは思っていますが、アイデアを煮詰めていく事で、ユーザーの皆様に遊べて楽しめるアイデアに昇華出来る準備も整いました。

実際どうかはわからないんですけど(笑)。

ネタとしては沢山の広がりを持つものに仕上がったと思っています。


どんだけハマってんだという感じですが、やり切る事がブレの無い作品に仕上がる事だと自分は思います。ここでも書き切ります。

深める事がネタを生む。

スポンサーリンク

Next 投稿

グローバリズムは異質なものでも受け容れる知性。

「人は何故いびつな物を作るのか?」・・・タイトルを含め、それらを思ったのにはあるTV番組で見たファッションデザイナーの言葉があります。こちらの記事でこの言葉をスローガン的に使いました。小宇宙(Micr ... Read more

Previous 投稿

小宇宙(Microcosm)で楽しむ。

「この世のものは全てコンパスと定規で作られた。」 てなわけで、天地創造しちゃった(笑)。中国古来の伝説に影響を受けて、線と円で作り上げたロゴマークに秘められた意味は、全てのものが交差する小宇宙(Mic ... Read more

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)