巨匠・亀倉雄策を知る。

家紋を学んでいく中で知った人物がいます。
知って損はない方です。
東京五輪のエンブレム騒動にも時折名前が出てきました。

それがタイトルの亀倉雄策氏。
ご存知の方もそうでない方もいるかと思われます。

まずこの方の職業はグラフィックデザイナーです。
戦後のグラフィックデザインを支え、もっと身近な話をすると、以前お話した松永真氏と同様、数々のロゴマークやポスターを手掛けた方です。
ほぼ断言出来ますが、誰でも彼の作品はゼッタイに見た事があるはず。

また、その方面の賞に彼の名を冠した賞があるほどです。
その彼のお話しをしようと思います。


そんな日本のグラフィックデザイナー界の巨匠とも言える彼と出会ったキッカケは、記憶が定かでないですが、辿っていくとこれかな?

ロゴを学ぶ中でこの本に出会った事で彼に興味を持つようになりました。
もう10年以上も前になりますね。

彼の著作を購入したいと今も当時も思っているのですが、いかんせんどれもこれもプレミア価格なのだか何だかで高過ぎるものが多い(笑)。

今、普通には手に入らない代物が多いという事もあります。

この「曲線と直線の宇宙」もなかなかに手に入りません。そして高い! 1983年の著作です。

でも、欲しいんだ、ホントはっ!

他の書籍もなかなかにイイ。
21世紀に入った今も時々何らかの書籍が出版されています。




興味が高じて、当時、自分の出来得る範囲でリサーチをしましたけれども、単純な形で構成されていく作品の数々に魅了されました。 それは今でも変わりません。


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そこが彼亡き今でも普通に世間に溶け込んで受け継がれていく原理なのかなと捉えました。
個人的にはそこがツボでした。

これまでに家紋というものについて言及してきましたけども、その中での一番の要であった線と円(定規とコンパス)で小宇宙を表現するとでもいうその家紋の世界観とも合致するし、彼自身の作品を見て調べても、かなりの確立で家紋の事も勉強していたと思われます。

 

著作で見る彼の作品群。


家紋の世界を学び、亀倉氏の作品と出会い、自身もいろいろと試行錯誤する中で、行き着く所は幾何形体なのかなと感じたりもしました。
そんな想いから積み木を買ってみたり(笑)。

単純なものだからこその可能性を感じます。
皆さんはどうでしょうか?


近代に入ると、例え形態上の話であっても幾何形体に及ぶアートやデザインの潮流の存在というのも否めませんし、どんなに複雑そうに見える物事でも、砕いていけばその構造は至って単純だったりもします。

我々が製作する洋服というものも、パターンメイキングをする時には、曲線ですら直線(あるいは線分)の集まりと考えもします。




ここで彼の著作の幾つかから作品を紹介したいと思います。
完全に独断になりますが、個人的に好きになったり、心を揺さぶられたものです。




亀倉雄策のデザイン

禅の円相や数学の記号のように、単純な構成で思想や意味を表す様がわかります。









亀倉雄策 (ggg Books 世界のグラフィックデザイン)








そして、試しに検索した結果はこちら
いろいろ言う前にこれ見れがすべてわかるって感じですね(笑)。

しかも、彼が話す言葉の端には、現在の日本を予言したかのような発言も多く残されています。
ちなみに私事ですが、購入しようかと思っているのはこれです。ご参考までに。



 朱の記憶 亀倉雄策伝








 

デザインはジャーナリズム。


そして、プロパガンダ。

形の事からは離れようと思いますが、特に彼の作品はある意味論客としての要素も強く感じます。

言葉そのものもかなり鋭い(笑)。

訴求力という概念で見てみても、絵や画像で見せる事の切れ味は色褪せません。

作業やリサーチの最中、そんな事を思っていたら、果たして自分のものはどうかなと見つめ直したりもしました。

デザインがまだ生温く稚拙だった当時には、刺激的な出会い。

その辺に関しては彼のグラフィックデザインは広告的な意味合いが強いですね。
個人的には嫌いじゃないです。

デザインにしても広告にしても、「訴求」というのは一つの重要な要素ですから。  


 

アメリカもイイ。


まとめとして、亀倉氏の作品との出会いがもたらした事。

デザイン的な事も言い尽くせないですが、
構成やデザインによる訴求という一つの要素も出来上がってきました。

これが家紋のスローガンや旗印という思想とリンクします。

またそんな事から広告関係の方達の話を聞こうという行動を起こしました。

数年の時を経て、広告やグラフィックというものに対する考え方の変遷を経て、広告の先進国といわれるアメリカの広告界の神様、デイビッド・オグリビィ氏の書籍と出会う事になります。

グラフィックと言葉という両方のアプローチから、その話はいつかに取って置こうと思います。

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