「デザイン」って言葉を国を越えて噛み砕くと、ブランディングのヒントに。

日本語と英語で「デザイン」の捉え方が違う?

そんな視点のコラムです。言語の面白さでもあるかと思います。

デザインと言語は一見、相反するように思われるかもしれません。
でも、自分はデザインを起こす際、テーマやモチーフの名前や言葉自体を噛み砕いてみる為に辞書を活用する事もあります。

それは何故か?

普段何気なく使って通り過ぎて行ってしまう言葉の中の真意を改めて知る事で、実は思いもよらぬ新たな視点を発見させてくれる事もあるからです。


これも一つのリサーチやデザイン展開ですね。

そんなリサーチは我々が母国語としている日本語だけにとどまりません。
ある時ふと「デザイン」の言葉を調べようと思い立った時の事です。

そもそも「デザイン」って何だろうと。

自分でも思いもよらなかった目からウロコの考えがそこにはありました。


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幸か不幸か、「デザイン」というものが、日本語及び日本では技術的側面から捉えられていると感じます。



一般的には「意匠」という言葉で表現。

どのような経緯でこの感じがセレクトされたのかは興味がある所ですが置いておくとして、特許庁などでもデザイン登録の事は「意匠登録」とも言われ、既に馴染みのあるものとなっています。

経済産業省・特許庁ホームページ



「匠って職人の事だよな?」


そう思いながら、自分は「匠」の言葉に着目しました。
この字をさらに調べると、優れた職人を意味します。もしくは何らかの技術に優れた人。


そして「意匠」。

主観ではありますが、
この言葉の言わんとする事は・・・、

ある製品のデザインの技術的側面に何の意味や意図があるのか・・・例えばこの製品を~のように使えば~に役立つという意味や意図がそこにはある・・・という事を表しているのかもしれません。


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英語の「design」の概念は?


人を導くものと感じました。


・・・日本語を先のように噛み砕くうちに、同じようにふとある素朴な疑問が。

「英語のデザインの語源は何だろう?」


この言葉に限らず英語の語源というものにはいつも興味があり、そこには言うまでも無く生まれた歴史もありますが、日本語の中にいる日本人の思考とは全く異なった言葉同士の繋がりがあったりする事に面白さを感じます。

意外な言葉同士で語源が同じだったりする。

例えば、

cosmic(コズミック)とcosmetic(コスメティック)。
宇宙とコスメ(化粧)ですね。見た目も似ています。

一方日本語は「化ける」を使ってる(笑)。宇宙と繋がりは無い。
その表現は東洋の神秘という事にしておきましょうか。

さて結果としてdesignの語源にも英語独特の解釈があったように思います。

英単語の接頭語でもあるdeは「下方」や「基盤」を表す概念があるとの事。
そしてsignは「標識」。交通標識などに見られるような、提示する事で人を誘導するもの。


仮説にはなりますが、
そう考えるとdesignという単語の真意として「人を導く為の土台」という捉え方が出来る。

そう思う自分がいました。

 

思考は第一言語に影響を受けるから。


この二つを比較した時に、デザインというものへの本能的な考え方の違いを感じましたね。
ブランディングとしてのヒントにもなったように思います。

簡単に言えば、
日本はテクニカルな事にクローズアップして、
英語圏では元々が人を導く為のものであるというブランディングの一要素にもなっていると。


designという言葉を使う事で、無意識下で人を引っ張っていく為にどうするのかを考えてデザインと向き合っているのかなという思いに駆られました。

この部分に関しては、翻訳されたブランディングの書籍を読んでみても感じる事でもあります。
そこに関しては別の機会に言及しようと思います。


デザインの範囲を広くしてブランドとして考えれば、
デザインというものに自立心があって、自分達のアイデアをブランドとしてどのように売っていくのかという発想。勇気がある。

世間の中でどうなのかという相対的な論理よりも、そこにはブランドとしてもビジネスとしても自立心がある。

それが彼/彼女らには本能的に染み付いているというのならば嫉妬しますよ(笑)。
根本からして違う。

 

誤解はしないで下さい。


自分はどちらが正しいのかには言及しません。
それは無意味だし、何よりどちらもアリだと思います。

日本では先のような捉え方だという事で、世界で日本製への信頼を生んだ大切な要因であり魂であり、何を前提にして、何を売りにするのかは各々の自由だと思います。

ただ、切なる願いとしては、
デザインが技術の結晶「だけ」にとどまらずに、理念の表現であり続けたいし、表現によって先導する為の価値観を共有出来る事が、本当のブランドの底力や鍛錬かと思います。

その域に達するまでが鍛錬。

デザインは理念の表現であって、
根底ではそれで人を導く自立心のあるもの。


それぞれの良さを踏まえた上で、英語圏のブランドや企業文化に何かもっとブランディングやクリエーションのヒントは無いものかと、言語を通じて考えている自分もいます。

良いものは取り入れる。

あなたは何で人を導きますか?
あなたの標識は何ですか?


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